また、自動車メーカー出身の関氏がサプライヤーの文化になじまなかったことにも言及した。

 「日本電産はティア1、ティア2のサプライヤーであり、自動車メーカーと違ってサプライチェーンの頂点に居るわけではない。車載事業が悪化するのを見ていて、自動車メーカーとサプライヤーの仕事の進め方が違うのを実感した。サプライヤーは客先や工場に通い、バッタのように頭を下げて会社を作っていく。現場でも社員より早く出勤して社員を待ち構えるなど、時間をかけて過ごすべきだが、自動車メーカーではそういった経験がなかったのだろう。以前の会社の習慣が悪いとは言わないが、日本電産のルールに合わせてもらっていれば違った姿になったかもしれない」(永守氏)

 新社長の小部氏も関氏の印象を「お客さま対応は苦手なのだろう」と述べた。

 自動車メーカーとサプライヤーの企業文化の違いだけでなく、関氏の姿勢も永守氏の評価は低い。

 「ある程度同じ価値観を共有できないと、厳しい仕事に向かっていくことはできない。私の経営手法をまねしたり学んだりしてほしいと何度も頼んだが、受け入れてもらえなかった。私は50年間会社を経営してきて、倒産しかかった会社も再建してきた。そこから学ぶべきことは多かったはずだが、プライドが許さなかったのではないか。私の指導を受けて実績が出てから自分の個性を出せばよかったのだが」(永守氏)