実験記録: SCP-682破壊実験ログ
目的: SCP-9351の「再現不可能な味への執着による自死」の特性を利用し、SCP-682の精神を崩壊させ、自死(自己終了)へ追い込む。
実施方法: SCP-682の収容槽から塩酸を完全に排出した状態にした後、槽内に初期状態(海老のビスク風パスタ)のSCP-9351を投入する。
音声記録抜粋:

[記録開始]
(槽内の酸がすべて排出され、SCP-682の肉体が急速に再生を開始する。天井からクレーンによってSCP-9351が槽内へ降ろされる)
(SCP-682は投入されたSCP-9351を一瞬で完食する。この際、SCP-682は器に付着したソースの一滴に至るまで、完全に舐めとって完食した)
SCP-682: 忌々しい人間の……待て。これは……何だ。
(完食の3秒後、完全に空になった器の中に、SCP-9351が「ペペロンチーノ」の形態へと瞬時に自己再生する)
SCP-682: ああ、消えた。どこへ行った。あの味はどこだ! よこせ! 人間ども、あの味をもう一度よこせ!!
(SCP-682は猛烈に暴れ回り、収容セルの壁を破壊しようとする。再度最初の一口を求めているかのような咆哮を繰り返す)
██博士: 精神影響が確認された。このまま自身の体を傷つけ始めるか監視を続けろ。
(実験開始から40分後、SCP-682の暴動が突如停止する。SCP-682の背部および尾部の肉組織が、急速に小麦粉とデュラムセモリナを主成分とする紐状の構造物、および海老のビスクソースの成分を含んだ生体組織──すなわち「最初に摂取した海老のビスク風パスタ」へと変異を開始する)
SCP-682:……無いのなら、作ればいい。
(SCP-682は自身の尾を噛みちぎり、変異した自らの肉体を貪り食い始める。傷口は即座に再生するが、再生した肉もまた海老のビスク風パスタへと変異する)
(SCP-682はこの「自身のパスタ化した肉体を自傷し、貪り食う」という動作を計██回繰り返す)
SCP-682: ……ふん、もう十分だ。
(SCP-682は満腹感(満足感)を得たかのようにその場に横たわり、深い睡眠状態に移行。その後、変異組織は通常の爬虫類組織へと再適応した)
[記録終了]
分析: 実験は失敗しました。SCP-682はその驚異的な生物学的適応力により、「失われた味を自分の体内で自給自足する」という不条理な方法で満ち足り、SCP-9351への執着を完全に克服しました。
特筆すべき点として、SCP-682の執着が消失したのと同時に、収容室内に遺されていたSCP-9351(ペペロンチーノ形態)は、自動的に初期状態の「海老のビスク風パスタ」および標準サイズの皿へと戻りました。
この事象により、SCP-9351は当初推測されていた「死亡」だけでなく、「対象の執着が完全に無くなった場合」でも初期化されることが新たに判明しました。しかし、人間の脳では記憶処理を用いても完璧に執着を消去することは不可能なため、事実上、生存したままこの初期化理論を成功させたのは現在までSCP-682のみです。SCP-9351はその後、初