「分散する処理、集約する価値」――Web3でイーサリアムが勝つ理由

かつてインターネットが、情報を1つの巨大なサーバーに詰め込むのではなく、無数のサーバーを共通規格で繋いで巨大化したように、Web3でも全く同じことが起きている。

イーサリアムの本質は、処理能力を競う単一の爆速チェーンではない。処理を無数のL1、L2、アプリチェーン、銀行のプライベート網へ分散させ、それらをEVMという共通言語で繋ぐ仕組みそのものだ。

分散するのは処理で、集約されるのは1つの巨大な経済圏である。

「パブリックとプライベートは別物」という見方は、本質を見誤っている。銀行が閉じたチェーンを運用しても単なる社内DBの置き換えに過ぎず、採用する意味がない。

銀行がブロックチェーンで真の効率化を得られるのは、オープンなパブリックチェーンと接続して外部の流動性とシナジーを生むからだ。そして、プライベート網からオープンな世界へ資金が滲み出るとき、その決済通貨として必須になるのがETHである。

資金がパブリックに出ていく以上、「どこが最大の流入先か」が勝負所になる。SWIFTなどの巨大ハブがEVM互換を選んだ時点で、資本が流れ込む最大の目的地はイーサリアム圏に決定したようなものだ。

Agglayerなどの相互運用基盤が整えば裏側の分散は隠され、ユーザーは1つの経済圏としてシームレスに使える。金融機関が面を広げるほど、最終的な決済とセキュリティの需要はEthereum L1へと集約される。

処理がいくら分散しようとも、需要増加、手数料バーンによる供給削減、セキュリティ担保のステーキングによるロックを通じ、生み出された価値のすべては基軸資産「ETH」へ集約され続ける。

ネットが分散化で世界の情報を吸い上げたように、イーサリアムも同じ構造で世界の価値を取り込み、その中心にあるETHの価値を押し上げていく。