XRPというプロジェクトは、最初から「世界金融ネットワークを変革する壮大なビジョン」に基づいて生まれたものではありません。始まりは、元々Mt.Goxを立ち上げたジェド・マケーレブによる初期プロジェクトであり、彼自身が途中でコミュニティと対立し離脱していることからも、計画的な理念や技術的ロードマップは存在していなかったことがわかります。ジェド自身のバックグラウンドを振り返ると、彼はもともと違法音楽配布サイトなど、規制を無視した自由なネットワーク構築に関わっていた人物です。この性格が、XRPというプロジェクトの「自由奔放な技術実験」的な側面に色濃く反映されています。

そして現在、Ripple信者たちが最後の希望として語る「11月22日のISO20022採用でSWIFTがXRPを使う」という主張は、根本的に誤解です。ISO20022は単なるデータ形式の標準化であり、特定の暗号資産の採用を意味するものではありません。銀行はどのブロックチェーンでもISO20022形式に変換可能であり、XRPが必須になる理由はありません。

実際、SWIFTは次世代送金ネットワークとして CCIP(Chainlink Cross-Chain Interoperability Protocol) を採用しており、ISO20022と組み合わせて複数のブロックチェーンに直接接続する構造を構築しています。この公式実装パートナーは Chainlink であり、Rippleではありません。そして接続先として選ばれたのは EthereumとSolana です。

Ethereumは世界最大のDeFi・RWA・ステーブルコイン・金融機関接続インフラが集中しており、Solanaは高速処理と実ビジネス決済で台頭しています。これにより、SWIFTの新しい送金・資金移動レイヤーはすでにEthereumとSolanaを基軸とした「実運用の金融ネットワーク」へと移行しています。

一方で、Ripple自身は、自社発行のRLUSDさえも88%がEthereum上で流通しており、買収企業の決済や流動性提供もXRPではなくRLUSDが中心です。つまり、Ripple自身が「XRPを中心とした経済圏」を諦め、Ethereum経済圏に寄せているのが現実です。

結局のところ、XRPは最初から世界金融を変えるために設計されたコインではなく、偶然と期待が膨らんだだけで、本質的な技術的位置付けを確立できなかったのです。幻想は終わりつつあります。金融ネットワークの勝者は、実際に使われている場所から生まれます。そして今、その中心にいるのは EthereumとSolana であり、XRPではありません。オンチェーンのデータを見れば、その事実は改ざん不可能な形で明らかです。