詐欺師の独り言

段々と生きにくい世の中になってきましたやで。ワイは2度、人生においてどん底を経験してますのでワイの経験ですがお話をしますやで。
ワイは大学を出てすぐに自営業を始めたで。当たり前やが成功の道筋があるから始めた事業やで。
一か八かの賭けの様な動機ではないで。見事に目論みは当たり1年で社員27名を抱える会社になったんやで。
しかし1社の独占的な隙間産業や。まさか大資本の企業が進出するなど考えてもおらん。それが現実となり競争はかなりのもんやった。
値下げ合戦は当然やが1番困った事が社員の引き抜きや。ノウハウをすべて知り尽くし顧客を抱える社員を札束で引き抜くんや。
こればかりは対抗にも限界があったで。次は銀行の貸し剥がしや。
銀行マンからすれば当たり前の手段だったのかも知れませんが融資の話がきたんや。追加融資をしてもいい。
ただしワイの個人資産を担保にする事と追加融資にはワイ個人が保証を組むという条件やった。
契約書にサインをして融資が行われたのは実際の融資契約額の3分の1や。後は銀行のやりたい放題。
回収が始まり結果的に倒産。ワイ個人の資産も競売。残ったのは借金だけやった。
債権は銀行の関連会社のノンバンクに移り半端ではない取り立てぶりやで。ワイはもう抜け殻状態で生きる事が苦痛やった。
死ぬ事を考えて手持ちの僅かなお金で電車に乗り行ける所まで行き死ぬつもりでした。
何回か電車を乗り継ぎ最終電車の終点駅に着き、そのまま彷徨う様に街を歩いてたんやで。
やっぱり死ぬなら海かなぁ。その街は海に面した街やったんで歩いて海を目指す事に。3時間くらい歩いて海に着いたと思うで。
暫く自分がここで死ぬんやなぁって海を眺めてました。その時、後ろから声をかけられたんや。
「何をしてる?何処から来た?」
はっきりとは覚えとらんが矢継ぎ早に質問を受けたんや。結局、半ば無理矢理に車に乗せられ事務所らしき所に連れて行かれたで。
何を訊かれても何も話さずお昼くらいになった頃、ある人物が入って来てワイの事を説明してる感じやった。
その人物はワイの前に座り「死ぬつもりだろう?」「何があったかは知らないが死んだら負けだ。」みたいな事をワイに言ったんや。
その内、カレーが出て来てワイはカレーを見つめて泣いてました。
その人物に経緯を話したところ「そんな事で死ぬのか?」
電話でケリが付く話だと言って電話をし始めて「もう終わったから生きて先を見てから決めたらどう?」
そう言ってワイの前にお金を置いて駅まで送ってやれって言って、その人物は事務所から出て行きました。

これがワイの詐欺師人生の始まりやった、ターニングポイントやな。
(続く)