伊奈弾正。
関連史料や研究書に記述されている名は「伊奈弾正忠盛泰」。
実名の下字と官途名が一致していることから「重泰」本人または嫡嗣であることはまず間違いない。
実名の上字が伊勢盛時からの偏諱であることも確実と云える。
品川妙国寺に禁制を出した永正十四年(1517)は作中現在から二十三年後。
相応の地位に就くだけの経験・年齢という要素を考えると、
作中家督を継いだばかりで面皰も消えない若者本人の後身である蓋然性が高い。
伊豆下向、人生の転機に臨んで新主の偏諱を受けたかと思われる。