悪の華で青春の青臭さを書き尽くしてそれなりに評価を得た押見氏。年齢を重ね人の親となり、今度は一皮剥けて重厚な人生劇を書いて一流アーティストの仲間入りを果たそうと思ったに違いない。まだ若さが露呈して苦笑させられるような場面もあるが、真剣さは充分伝わってくるし、傑作をものにしつつあるのではと感じる。話の歩みの遅さに対する苛立ちは、物語への食い付きの強さの裏返しか。