変なコピペ、俺がなるべく事実に近く直してやるよ

新プロジェクトX~挑戦者たち~
マツダNDロードスター開発責任者の記録。「走る歓び」の体現、「人馬一体」の構築
2007年6月27日、山本は矢冨部長からNDロードスター開発主査を拝命した。突然のことで大変驚いたが反面「ヨシ!」と心に期するところがあった。
人事異動が発表された時、同僚から一つのメッセージをもらった。それは「虚心創風」という言葉であった。「虚心」になること。心に何のこだわりもわだかまりもなく大空のように広くすっきりしていること。虚心で悟り、道を知り、現世で人の風をつくる。大切な判断をするときや困難な状況に陥った時、すべては心の所在である虚心と平常心で最善の道をもとめ、自然にできて生きているような風を吹かせる、そんな風を感じて行動する、というメッセージであった。
それから、主査としての大先輩であり、尊敬する企画設計部長の前林治郎に面会し、主査の心得について20項目のアドバイスをいただいた。
また、商品を開発するにはお客様を知らなければならない。担当する商品のお客様はどういう年代で、どのようなライフスタイルを持ち、どんな価値観を持っているのかを理解し、そうしたお客様の期待を超える商品とサービスを提供しなければならない。
そして商品開発主査としてプログラムをリードする職責を果たすためには人格形成やスキルアップが求められる。
前述の顧客基盤分析結果を踏まえ、チームはメイン市場であるアメリカの顧客と価値を整理し、顧客と提供価値のストライクゾーンの方向性を定めるべく取り組んだ。
しかし、現場の職長たちに「フロントフェンダーをアルミで作ることは不可能」と断られてしまった。
主査は職長たちにお願いした。
職長たちは「判った。さっきはできんといったけど、何か工夫したらできるかもしれん、やってみよう」「ヨッシャ。曲がらんものでもわしらが曲げちゃるよ」と快諾した。
主査は、充足感に包まれた。「部長、完成した車で瀬戸内海に行ってきてもいいですか」
「ああ、いいとも。だが制限速度は守れよ。」矢冨部長は肩を揺らして笑った。