経済的な余裕や選択肢が限られている環境では、限られたパイを奪い合うゼロサムゲームの構造が日常化するため、他者を貶めることで相対的な優位性を感じようとする心理が働きやすい。富裕層が自己の資産や事業の拡大にリソースを集中させる一方、余裕のない層は「誰が上か下か」という序列の確認に執着しがちである。
また、日々の生活における無力感や閉塞感を解消するための手っ取り早い手段として、ネットの匿名掲示板やSNSでのマウント合戦や揚げ足取りが利用される。自分より下の存在を見つけることで一時的な自尊心を満たそうとするこの構造は、構造的な不満の矛先を同じ立場の他者へ向けさせることで、根本的な問題から目を背けさせる役割も果たしている。
結局のところ、争いは「不満のはけ口」であり、生産的な富の創造ではなく、惨めさを紛らわすための安易な麻薬にすぎない。そこに費やされる時間とエネルギーこそが、さらなる貧しさを再生産する元凶となっている。