研究ノート】輸入水素発電の経済性と内外価格差について
https://cigs.canon/article/20201228_5540.html

海外で僅か2円/kWhである水力発電を利用して、水素を製造・輸入し日本で発電すると、発電コストが31円から33円/kWhになる、という試算になっている。 
この試算には、輸送が難しいという、水素の弱点が如実に現れている。だいぶ前に筆者はこの試算をみて、水素発電には将来性が無いと感じた。

電力中央研究所の2020年の報告[1]では、2030年の発電所渡しの価格は、豪州の褐炭由来の水素(CCSを利用してCO2は地中に貯留すると想定している)では40.7円/Nm3となっている。これは水素基本戦略の目標である30円/Nm3よりもかなり高い。
このうち、褐炭由来の水素を製造するまでのコストは10円/Nm3であるものの、輸送に関わるコスト(液化の設備費・運転維持費・電力費、および積荷基地貯蔵、国際輸送、荷揚基地貯蔵と気化)のコストが20.7円と嵩むと試算されている。このように輸送に関わるコストが高いという構造は表1と依然として同じである。
同報告では太陽光発電・風力発電を利用した水素製造ではさらにコストは高く53円/Nm3前後であるとしている。ただし、水素製造設備と発電設備の規模の比を変更することで46円/Nm3まで下げることが出来る(同試算の正誤表による)、としている。
今後水素を輸入して用いるとなると、内外価格差が懸念される。