現状のオンチェーン活動量では、ホットスポット化するアカウントがあっても全体のトランザクション量に対する比率がまだ小さく、目立った障害として顕在化しにくい。しかし国際決済インフラのようなWeb2スケール(1秒間に数万〜数十万件の決済処理を要求される世界)にそのまま持ち込むと話は変わります。

なぜCPU1コアの壁が致命的になるか

現在のSolanaバリデータのシングルスレッド性能は、1秒あたり数万件程度の同一アカウント宛て書き込みが限界と見られており、これはVisaネットワークが平常時に処理する数千〜数万TPSと同水準か、ピーク時にはむしろ下回ります。

清算・決済インフラの本質は「中央の準備金勘定」「グローバルな残高台帳」への書き込み集中であり、これはまさに単一アカウントの直列制約に真正面から突き当たる構造です。つまり分散的な末端トラフィックが増えるほど恩恵を受けるSolanaのモデルとは逆に、決済の中核ほど並列化の恩恵を受けられないという構造的なミスマッチが顕在化します。

さらに厄介なのは、CPU単体の性能向上(ムーアの法則的なスケーリング)は近年鈍化しており、ハードウェアの進化によってこの壁を先送りする余地も年々小さくなっている点です。