>>438
短いファクトだけで整理しますね。

第一に、MakerDAO(SVM)についての致命的な誤解です。Solanaの実行エンジン(SVM)であっても、同一アカウントへの書き込みは「1つのコアによる直列処理」です。MakerDAOがSVMを選んだのは、自身のAppChain(独立チェーン)として「ステート(計算資源)をメインネットから分離して専用化するため」です。彼らが行ったのはまさに「単一状態からの離脱(水平的な状態分離)」であり、単一状態のメインネット礼賛に対する反証になっています。

第二に、「EVM=直列で秒間15件の化石」という認識の古さです。イーサリアムL1の15TPSは、一般的なPCでもバリデータになれるよう「分散性のために意図的に設定されているブロックガスリミット(容量制限)」であり、EVM自体の技術限界ではありません。現に、MonadやSei v2、MegaETHなどの「並列EVM(Parallel EVM)」は、EVMの互換性を保ったまま10,000〜100,000 TPS超の並列処理を実現しています。「EVMだから遅い」「SVMだから速い」という単純化自体が、近年の実行エンジンの進化を見落とした誤認です。

第三に、GoogleやVisaの事業判断についてです。Google Cloudがバリデータインフラを提供するのは「需要のあるネットワークの運用者にサーバーを貸し出すクラウド事業者として当然のビジネス」であり、Visaも同様にEthereumやBaseなど複数チェーンで実験を行っています。彼らがインフラを提供したり実験を行っていることと、プロトコルの構造上「特定アカウントへのアクセス集中時に単一コアの直列化による詰まりが発生する」という物理的ファクトは、論理的に何の関係もありません。


「実用性や需要があって企業が参入している」という現実と、「単一コアの垂直スケールには構造的な限界とトレードオフが存在する」という物理的ファクトは、両立する当たり前の話です。

「どちらが絶対の正義か」という二分法ではなく、それぞれのアーキテクチャが採用している設計とトレードオフを正確に把握されることをお勧めします。