>>864
Solanaも持っていますし、Solanaの高速・低コストという強みは私も評価しています。そのうえで、この議論には金融インフラについて大きな前提違いがあると思います。

まず「SWIFT 4,500万件/日 vs ETH L1 15TPSだから物理的に処理不能」という比較ですが、SWIFTの数字は金融メッセージ数であって、その全てがブロックチェーンに書き込む決済トランザクションではありません。SWIFT自身も全メッセージをEthereum L1へ載せる設計などしていません。したがって、この数字をそのままEthereumのTPSと比較して「物理的に不可能」とするのは、そもそも比較対象が違います。

そして2026年のSWIFTの共有台帳は、銀行間のトークン化預金や支払コミットメントを共有・同期する金融インフラで、MVPの技術基盤にはEVM互換のHyperledger Besuが採用されてライブ環境で運用が始まる間際です。さらに、その先でより広いデジタル資産エコシステムとの接続を想定しています。

ここで重要なのは、「SWIFTがEthereumメインネットを採用した」という話と、「EVMが金融インフラの共通規格になる」という話は別だということです。前者は現時点では正確ではありません。しかし後者については、実際にSWIFTが数年かけて実証実験を行い、EVM互換環境を金融インフラの中核に採用しているという事実があります。

そして「金融実務で絶対に必要なのは、ハッキングリスクのない単一チェーンでの絶対的確定性(即時ファイナリティ)」という前提も、投稿者自身が勝手に設定した条件です。少なくともSWIFTやBISが「単一チェーン」「即時ファイナリティ」「ハッキングリスクゼロ」を金融インフラの絶対条件としているわけではありません。むしろ実際の実証では、許可型台帳、既存の決済システム、複数のネットワークや台帳を組み合わせています。

Solanaなどの単一チェーンは、SWIFTやBISの長期的な実証実験さえたどり着いたことがありません。

つまり、「単一チェーンでなければ金融では使えない」と最初から決めて、そこから「だからL2はダメ、Ethereumはダメ」と結論づけるのは、金融実務から導いた結論ではありません。

もちろんEthereumのL2には流動性分断、UX、ブリッジ、シーケンサーなど解決すべき課題があります。そこは私も認めます。一方、Solanaの単一L1・高速・低コストという強みも本物です。ただ、「Solanaが速い=単一チェーンが金融インフラの最終形」ではありません。

そして、ここがEthereum側の構造的な強みです。銀行側の許可型EVM環境とパブリックなEVM環境が接続されれば、銀行が発行するトークン化預金やRWAは、そのままEVM互換のパブリック経済圏へ流し込めます。Ethereumが全取引をL1で処理する必要はありません。L2やEVM互換チェーンに実行を分散し、Ethereumを決済・セキュリティの基盤として使うことができます。

さらにAgglayerやEILのような相互接続インフラによってチェーン間の流動性や実行環境が統合されれば、「多数のチェーンで実行しながら、Ethereumを経済的・セキュリティ上の共通基盤として利用する」という構造が成立します。

この場合、トークン化預金そのものがETHになる必要はありません。銀行預金は預金として存在したまま、その経済活動がEthereumの経済圏に接続されます。そして、その経済活動を支える決済、DeFi、RWA、L2、ステーキングなどが拡大すれば、ETHへのステーキング需要と経済的価値の還流が発生する構造になります。

だから議論すべきなのは「15TPS vs 10万TPS」という単純なTPS競争ではありません。銀行、トークン化預金、ステーブルコイン、RWA、DeFi、AIエージェント、既存金融システムを、どの技術標準が最も安全かつ効率的に接続できるのかです。

Solanaの性能を評価することと、EVMが金融インフラの共通規格として広がることは両立します。私自身Solanaも持っています。

2026年8月28日時点で重要なのは、「SWIFTがEthereumメインネットを採用した」ということではありません。SWIFTがEVM互換の共有台帳を実際にMVPまで進め、その先にパブリックなデジタル資産エコシステムとの接続を置いていることです。

したがって、「ETHは15TPSだからSWIFTには無理」という議論だけでは、この金融インフラの構造変化を説明できていないと思います。実際にSWIFTやBISが進めているのはEVM互換環境です。現実は無視してはいけません。