国際金融インフラにおけるSWIFTの支配力は、日常的なグローバル企業のシェアとは比較にならないほど圧倒的です。

たとえば、外食産業の世界的リーダーであるマクドナルドであっても、世界の外食市場全体における売上シェアは数%から10%未満に過ぎず、常に多様な競合や代替手段が存在しています。

これに対して、SWIFTは世界200以上の国や地域、11,000を超える金融機関を接続し、国境を越える国際送金や銀行間決済メッセージングの約80%から90%以上という驚異的なシェアを独占的に担っています。

さらに、SWIFTを外せないのは金融機関だけではありません。世界中でビジネスを展開する大企業やグローバル企業にとっても、各国の数多くの取引銀行や子会社の口座情報を個別のシステムで管理することは現実的ではなく、SWIFTの共通フォーマットを介して一元管理することが不可欠となっています。

企業側としても、自社の基幹システムやトレジャリー(資金管理)システムをSWIFTの標準規格に最適化しているため、そこから外れることは巨額の移行コストと業務リスクを伴います。 競合とされる独自の決済網は存在するものの、それらは特定の二国間や自国通貨取引といった限定的な領域にとどまり、SWIFTが持つ網羅的な接続性や流動性に匹敵する代替手段は地球上に存在しません。

消費者が数ある選択肢から好きに選べる一般的なグローバルサービスとは異なり、SWIFTは金融機関だけでなく世界中の企業にとっても、グローバルな経済活動に参加するための不可欠な共通プロトコルとして機能しています。この代替不可能な市場構造と圧倒的な市場シェアこそが、SWIFTの定める規格や相互運用性の基準に社会全体が従わざるを得ない最大の理由です。