>>193
「単純こそ最強」という主張は分かりやすいが、金融インフラでは少し危うい。

SolanaやSuiが並列処理を前提に設計されているのは大きな強み。
ただし、それは「複雑な設計なしに、すべてを安全かつ分散的に処理できる」と同義ではない。

並列処理が効くのは、処理同士が独立している場合。

DeFiのように同じ流動性プール、同じ担保、同じ清算ロジックにアクセスが集中する領域では、結局どこかで共有状態の制約が出る。

つまり「並列処理=無限に速い」ではない。

Suiのオブジェクトモデルも、Solanaの単一ステートも優秀だが、それぞれ別のトレードオフを抱えている。

EthereumのL2構造が複雑なのは事実。

ただ、それは「雑なパッチワーク」というより、実行・決済・データ可用性・保管を分ける設計。

金融インフラでは、単純さだけでなく、障害分離、検証可能性、リスク分散も重要になる。

単一の高性能エンジンは速い。

しかし、すべてのアプリと資産が同じ実行環境に乗るなら、負荷集中や障害波及のリスクも大きくなる。

複雑性はリスクになる。

でも、単純な構造もまた、巨大化した時に別のリスクを生む。

AI時代に必要なのは「単純さ」だけではない。

最終性、流動性、担保の信用、検閲耐性、規制対応、監査済みプロトコルも必要になる。

AIエージェントが使うからといって、速度だけで基盤を選ぶとは限らない。

資産を扱う以上、どこで清算され、何を担保にし、どのネットワークが中立的に信用されるかは残る。

ネットワーク効果をサンクコストと見るのも極端。

金融では、流動性と信用の蓄積そのものが価値になる。

開発者、監査、ステーブルコイン、DeFi、RWA、機関導線は、ただの過去の遺産ではなく、金融システムとしての土台。

SolanaやSuiが未来の高速アプリ基盤として伸びる可能性は十分ある。

ただ、それはEthereumの役割が消えることを意味しない。

Ethereumは「過去の金融のデジタル化」だけではなく、プログラマブルな金融の清算・担保・信頼レイヤーを目指している。

結論として、勝負は「単純なエンジンか、複雑なパッチワークか」ではない。

どちらが速度・安全性・流動性・中立性を、最も高い水準で両立できるか。

SolanaやSuiの並列処理は強い。

でも、それだけでEthereumの金融インフラとしての価値を否定するのは早いと思う。