その主張、イーサリアムの「理念」としては非常に美しいですが、現在のブロックチェーンの実態と金融インフラの最前線から見ると、いくつか致命的な見落としがあります。
​1. 「水平スケーリング」がもたらした流動性とUXの分断
あなたはEthereumを「インターネット」に例えましたが、現状のL2の乱立は統一されたインターネットというより**「分断されたタコツボ」です。
金融インフラにおいて最も重要な「流動性」が各L2に分散してしまっており、ユーザーはチェーン間のブリッジという面倒でリスクの高い作業を強いられています。PolygonのAggLayerのような統合技術は素晴らしいですが、それは「Ethereumが抱える分断という欠陥を修復するためのパッチワーク」**に過ぎません。
​2. 金融インフラの命綱「コンポーザビリティ(構成可能性)」の欠如
VisaやPayPalがSolanaを利用しているのを「目先の速度」と切り捨てていますが、実務レベルではもっと深い理由があります。それは**「単一状態(グローバルステート)」によるコンポーザビリティ**です。
異なるプロトコルを組み合わせる際、Solanaは単一チェーン上で「アトミック(同時かつ不可分)」に処理を完結できます。Ethereumのように複数のL2をまたぐ非同期な処理では、複雑な金融取引においてタイムラグや取引の失敗が起きます。世界規模のインフラにはこの「同期性」が不可欠です。
​3. RWAの「株式」への本格移行とSolanaの絶対的優位性
RWA(現実資産)のオンチェーン化は今後、国債などから**「株式」という巨大市場への移行**が本格化します。
株式の取引において絶対条件となるのは、Nasdaqのような伝統的金融市場に匹敵する「超低遅延」と「リアルタイムのオーダーブック(板取引)」です。EthereumとそのL2の非同期な構造では価格の遅延やスリッページが生じ、ミリ秒単位の高頻度取引(HFT)には到底耐えられません。
一方、Solanaは単一レイヤーでこの超高速処理を完結できるため、機関投資家が株式をオンチェーンで扱うための最も現実的な決済レールとなります。RWAの資金がSolanaに流入しているのは、この構造的な優位性による必然です。
​4. 「AI」と「DePIN」という次世代インフラへの親和性
さらに今後のブロックチェーンは、AIエージェントによる自律的なマイクロトランザクションや、DePIN(分散型物理インフラ)の領域へと広がります。ここでもL1レイヤーでの圧倒的な低遅延と低コストが絶対条件であり、非効率なL2を経由するEthereumアーキテクチャでは耐えられません。このAIとの親和性の差は、年を重ねるごとに決定的な時価総額の差となって表れるでしょう。
​結論として
Ethereumが「無数のコンピューターを繋ぐ」という過去のインターネットの歴史をなぞるための複雑なシステム構築(L2やブリッジ)にリソースを割いている間に、Solanaは「ブロックチェーンにしかできない、金融(RWA・株式)とAIがリアルタイムに交差する単一のグローバルエンジン」を構築しています。
​Firedancerによって単一障害点という弱点も克服に向かっています。数十年単位の拡張性を見据えた時、持続的にスケールするのは「パッチワークで繋がれたネットワーク」ではなく、根底から処理能力を極限まで高めたアーキテクチャだと考えています。