>>682
● 量子コンピュータ実現でビットコイン暴落?

 ――量子コンピュータと暗号について教えてください。量子コンピュータの進歩によって、ビットコインなどの仮想通貨が無価値になるのではないかと言われるようですが、これはどういうことなのですか。

 藤井啓祐氏(以下、藤井):2019年にグーグルが「量子超越を実現した」という発表をしたことで、ビットコインが暴落したことがあります。
53量子ビット(量子コンピュータでの情報の基本単位)の量子コンピュータの性能を示すための実験を行い、高い確率で正しい結果を得たという発表だったのですが、これによって「すべての暗号が解読されてしまい、ビットコインなどの仮想通貨が無価値になるではないか」という不安が広がり、ビットコインが暴落したのです。

 量子コンピュータは、従来のコンピュータとは計算の仕組みが違うので、素因数分解のような複雑な問題を高速で解くことができます。素因数分解は、桁数が大きくなると爆発的に難しくなるため、暗号化に使われているんです。

 とはいえ、素因数分解を高速に解くアルゴリズムプログラムは非常に複雑なので、今実現しているレベルの量子コンピュータでは無理です。
今の量子ビット数は100や200ですが、最先端の研究では「素因数分解を解くには100万量子ビット必要」と言われています。

 ――そんなに必要なんですね!

 藤井:いずれ100万量子ビットも実現できるでしょうが、あと10年はかかりそうです。一昔前は「あと50年かかる」と言われていたのですが、進歩のスピードがかなり速いので、最近、僕は「あと10年」と言っています。