この構造は、実はブロックチェーン特有のものではなく、過去のプラットフォーム競争とまったく同じ構造です。

ソフトウェアの世界でも、勝敗を決めるのは企業の発言やマーケティングではなく、その上にどれだけのアプリケーションや開発者が集まるかでした。例えば、

Microsoft Windows

Linux

macOS

Android

iOS

といったプラットフォームは、それぞれ企業がOSを作っただけでは成功したわけではありません。世界中の開発者がアプリケーションを作り、ユーザーが集まり、企業がサービスを提供し、エコシステムが巨大化したことで初めてプラットフォームとしての地位を確立しました。

例えば、Windowsが長年支配的だったのは、単にOSの性能だけではなく、膨大なソフトウェアが動く環境ができていたからです。AndroidやiOSも同様で、スマートフォン市場を制したのは、端末メーカーの広告ではなく、アプリストアを中心とした巨大なアプリ経済圏でした。

ブロックチェーンも本質的には同じです。メインネットに汎用スマートコントラクトがあり、開発者が自由にアプリケーションを作れる環境があれば、そこにDeFiやゲーム、資産トークン化などのサービスが生まれ、ユーザーや資本が集まり、さらに新しいプロジェクトが増えるという循環が起きます。

逆に、アプリケーションが自由に生まれない環境では、いくら企業が参加してもエコシステムは広がりません。これは、アプリがほとんど存在しないOSが普及しないのと同じです。

つまり、ブロックチェーンの競争は、単なる技術やマーケティングの競争ではなく、「どのプラットフォームの上に最も大きな経済圏が形成されるか」というプラットフォーム競争なのです。

そのため、メインネット上のエコシステムの蓄積が大きく異なってしまった場合、その差は時間とともにさらに拡大しやすくなります。そして最終的には、オンチェーンデータや開発者活動、流動性といった指標によって、どのプラットフォームに本当の経済圏が形成されているのかが、誰の目にも明らかになっていくことになります。