SECとの長年にわたる訴訟を乗り越えたXRPだが、新たに施行が迫る「CLARITY法案」が再び暗雲をもたらしている。特に注目されるのが、特定の主体がトークン総供給量の10%超を保有するプロジェクトに対し、「分散化が不十分」とみなす、いわゆる「10%ルール」だ。

Ripple社は現在、総供給1000億XRPのうち417億XRP、すなわち41.7%を保有している。これは明確にルールを逸脱しており、準拠するためには約317億XRPの削減が必要だ。もしRippleが市場でこれを売却すれば、価格の急落や市場の混乱は避けられない。一方で、バーン(焼却)という手段を選べば、流動性の低下や供給制御への懸念が生まれ、投資家の信頼を損ねるリスクがある。

さらに問題を複雑にしているのが、Rippleのネットワーク構造だ。XRP Ledgerのコンセンサス形成に使われるUNL(Unique Node List)は、Ripple社の影響が強く残る構造となっており、規制当局から中央集権的と見なされる可能性がある。この点も、「分散型資産」としての評価に重大な影響を及ぼしかねない。

もしXRPが再び「証券」と分類されれば、多くの取引所が上場廃止を検討するだろう。また、Rippleが推進するODLや、新たに展開するRLUSDにも波及効果が及び、実用化の足かせとなる可能性が高い。

皮肉なことに、XRPは「高速・低コストの国際送金」という明確なユースケースに特化し、効率性を追求する過程で、Ripple社への集中依存を強めてきた。その設計思想が今、規制上の分散性要件と真正面から衝突している。まさに、実用性を優先したがゆえに、分散型資産としての地位を危うくするという、構造的なジレンマに直面している。

Rippleは今後、RLUSDの普及促進や、UNLの分散化を進めることで規制適合を目指すと見られるが、短期間での10%ルールへの完全対応は極めて困難だ。XRPホルダーにとっては、Rippleの戦略と米国当局の今後の動きを慎重に見極める局面が続くだろう。