>>177
ズルズル……。
ズルズル……。
ズルズル……。

店内に響く麺をすする音。
それはまるで、巨大な交響曲だった。
俺はただ、その中の一奏者として箸を動かす。

そして数分後。
一人、また一人と丼が空になっていく。
俺も最後の一口を口に運ぶ。

――完食。
カウンターを見る。
全員、ほぼ同時に丼を上げていた。
店内に、不思議な一体感が生まれる。

俺は思った。
ロットとは、誰かが支配するものではない。
客と店が、それぞれのペースで作り上げるものなのだ。
……なんて素晴らしいんだ。
俺は静かに席を立った。