七夕も過ぎれば秋の風が吹くとはいうものの、この暑さは尋常ではない
我が郷土において七夕を迎えるのは8月7日のことである

夏は暑いものと相場が決まっているが、これはどうしたものだろう
背丈ばかり伸びてちっとも実がつかないトマトとナスを剪定していたら
かまびすしいカラスの鳴き声にも似た人語の響き

「それ美味しいの?」という声に目をやれば、サンダルに素足を覗かせて
黒のタンクトップから伸びる白い腕、無造作に束ねた長い髪
向かいの娘である

「美味いも不味いも、手のかかる奴ほどかわいいもんだよ」


中学のころはラブラブな彼氏がいて、イチャイチャを存分に見せ付けながら
登下校していたのだが、近頃とんと見かけずどうしたのか

「彼氏に振られたって本当?近所で噂になってたけど」と聞いてみようと思ったが
それは恐らく人としてダメなので、質問の仕方を変えてみた

「あの背の高い子、近頃みかけないけど」と水を向けたところ
なんでも彼氏の方はあまり勉強ができなかったらしく、別の高校に進んだら
速攻で新しい彼女ができたとのこと